子供の矯正
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こんな症状は
ありませんか?
反対咬合(受け口)
上顎の歯を、下顎の歯が前方から押さえている状態です。そのまま放置すると、上顎の成長が抑制されてしまう場合があります。患者様によっても異なりますが、上顎が小さいために反対咬合が起こっている場合などには、上顎を引っ張る治療を行うことで改善をはかります。
上顎前突(出っ歯)
上顎の前歯が、下顎の前歯よりも前にある状態です。上顎の前歯が極端に前に出ている時などには、転倒した時に前歯を打って破折したりする恐れがありますので、上顎の成長を抑制する装置などを装着させて、改善をはかります。
開咬
上顎の前歯と下顎の前歯の間に隙間がある状態です。口がきちんと閉じられないため、口呼吸になってしまったり、前歯でものが噛み切れなかったりすることがあります。
埋伏歯
歯全体または一部が、顎の骨や歯茎に埋まったまま生えてこない歯のことを埋伏歯と言います。お子様では、乳歯が抜けたのに、永久歯が生えてこないというケースがよく見受けられます。通常、乳歯が抜けたら1~2ヶ月後に永久歯が生えてきますが、半年や1年経っても生えてこない場合には、埋伏歯を疑う必要があります。そのまま放置すると、未萌出部分の両隣の歯が倒れてきたりして、歯並びが乱れることがあります。
埋伏歯の治療では、歯茎を切開して萌出を促したり、顎の幅を広げるなどして歯が生えるためのスペースを確保した上で、自然萌出を促します。その後、数ヶ月から半年程度過ぎても歯が生えてこない時には、開窓牽引(埋伏歯に装置を付けて引っ張り出す方法)などの外科的治療を行う場合もあります。
叢生(八重歯、ガタガタ)
歯が重なりあって生えてしまう状態のことです。乱杭歯(らんぐいば)や、八重歯(やえば)も叢生にあたります。歯の大きさや数に対して顎が小さいと、歯が並ぶ十分なスペースを確保できず、歯ブラシが届かない、歯垢が残りやすい状態になりやすくなるため、特に虫歯になりやすく注意が必要です。
お子様の
こんな癖にご注意ください
指しゃぶり
指しゃぶりは、3~4歳頃のお子様にみられる癖です。通常、この時期はまだ永久歯が生えていないので、歯並びに大きな影響を与えることはないとされていますが、前歯が永久歯に生え変わった後にも指しゃぶりを続けていると、上顎前突(出っ歯)や上下の噛み合わせの乱れの原因となる場合があります。
爪や鉛筆などを噛む
お子様に爪や鉛筆などを噛む癖があると、長時間、下顎を前に突き出したり、上下の前歯の間にものを挟んだりする状態になるため、反対咬合(受け口)や上下の噛み合わせの乱れの原因となる場合があります。
いつも口を開けている
「いつ見ても口をぽかんと開けている」というお子様の癖に気づいた時には、注意が必要です。慢性鼻炎や花粉症などが原因で鼻呼吸が困難になり、口呼吸するようになることがあります。口呼吸が続くと、顎の発育に悪影響をおよぼして歯並びが悪くなってしまう場合があります。
舌を出しながら喋る
お子様に舌を出しながら喋る癖があると、上下の歯がきちんと閉じられなくなって開咬合の原因となったり、顎の成長に悪影響をおよぼして歯並びを悪くしたりすることがあります。
矯正治療を始める
タイミング
矯正治療を開始するタイミングはお子様によっても異なりますが、当院では上顎の前歯が乳歯から永久歯に生え変わる6~7歳頃に開始することを推奨しています。また、この時期であればチェアにきちんと座れるようになったり、お口の中に矯正装置を入れることを怖がらなくなったり、治療の目的を理解できるようになったりするというのも、タイミングとしておすすめする理由です。
ただし、お子様によって噛み合わせや顎の成長過程は異なりますので、歯の状態を詳しく確認した上で適切なタイミングをご提案させて頂きます。お子様の歯並びが気になるようでしたら、まずはお気軽にご相談ください。
お子様の矯正治療には
タイムリミットがあります
お子様によっては、「今、矯正治療を受けなければいけない」という場合があります。歯並びの悪いお子様が100人いたら、その半分は「今、矯正治療を受けなければいけない子」であると言えます。その違いは、骨格的な異常があるかないかです。
骨格的な異常があるために歯並びが乱れているお子様の場合、小学校4~5年生頃までに1期治療を終えている必要があります。しかし、骨格的な異常があって、さらに小学校4~5年生の時期を過ぎてしまっていると、お子様の矯正治療(1期治療)が受けられない場合があります。お子様の矯正治療のタイムリミットは、女の子で小学校4年生程度、男の子で小学校5~6年生程度です。それを過ぎると、ブラケットやワイヤーを使った本格的な矯正治療(2期治療)を受けなければいけなくなる場合があります。このように、お子様の矯正治療にはタイムリミットがありますので、お子様の歯並びが気になる方は、できるだけお早目にご相談頂くことをおすすめします。
お子様の矯正治療の流れ
お子様の矯正治療は、「1期治療」と「2期治療」の2つに分けられます。
1期治療
1期治療とは、乳歯と永久歯が混在している時期(混合歯列期)に行われる治療で、主に顎を広げて永久歯がきちんと生え揃うように誘導するなどの治療を行います。治療期間の目安は2~3年程度です。1期治療を受けることで、その後の2期治療を受けなくて済むようになったり、2期治療を受けなければいけない場合でも、抜歯リスクを低減させたりすることができるようになります。
2期治療
2期治療とは、第1大臼歯が永久歯に生え変わった以降の時期(永久歯列期)に行われる治療です。1期治療では歯並びが改善されなかった時などに、大人の矯正治療のように、ブラケットやワイヤーを使って歯を動かすなどの本格的な治療を行います。治療期間の目安は、治療終了後の保定期間を除いて2年程度です。
矯正装置の種類
リンガルアーチ
歯の裏側に装着する矯正装置です。使用時期は6~10歳頃で、主に歯列の側方拡大や前方拡大を行う時に使用します。歯の裏側に装着するので、装置が目立つことはありません。見た目を気にするお子様でも安心して治療が受けられます。
クワドヘリックス
臼歯にかけた金属のバンドを使って、歯列の幅を広げる矯正装置です。主に上顎の歯列を横に広げる時に使用します。
プロトラクター(上顎前方牽引装置)
上顎を前方に牽引すると同時に、下顎の成長を抑制する矯正装置です。額と顎にパッドを装着して、その間にあるワイヤーで上顎を前方に引っ張ります。大がかりな装置ですが、就寝時に装着するだけでも効果が期待できます。主に上顎の成長期にある10歳以下のお子様に使用します。
ヘッドギア
顎を固定源として、ゴムを使って上顎の第一臼歯を後方へ牽引する矯正装置です。主に上顎前突(出っ歯)の改善に使用します。就寝時を中心に、1日8時間以上装着するのが理想的です。
ペンデュラム
上顎の6歳臼歯を後方へ移動する矯正装置です。この装置を使用することで、抜歯による矯正治療が回避できる可能性が高まります。
GMD
上顎の6歳臼歯を後方へ牽引する矯正装置です。通常、上顎前突(出っ歯)、重度の八重歯、乱ぐい歯などの場合には小臼歯を抜歯して矯正治療を行いますが、この装置を使用することで、抜歯が回避できる確率が高まります。
「定期検診を
受けているから
大丈夫」
とは限りません
予防治療の考えが浸透しつつあることから、最近では3ヶ月に1回など、歯科クリニックで定期検診を受けられているお子様が増えています。しかし、「うちの子は定期検診を受けているから、歯並びに問題はない」かと言えば、そうとは限りません。定期検診では歯の汚れや虫歯の有無などは指摘されても、歯並びのことなどはスルーされてしまう場合があります。また、学校での定期検診でも同様のことが言えます。よほどひどい歯並びでない限り、見過ごされてしまうことが多いのです。なので、歯科クリニックの定期検診を受けていて、「先生から何も言われないけれど、うちの子の歯並びはおかしいような気がする」とご不安な時には、一度当院へご相談ください。
お子様の歯は
きちんと生え変わって
いますか?
お子様の歯はきちんと生え変わっていますか?通常、乳歯は左右対称に生え変わりますが、中には生え変わる時期ではないのに乳歯が抜けたり、片方の乳歯だけが抜けて、反対側が抜けなかったりすることがあります。こうした状態を放置していると、歯並びや噛み合わせなどに悪影響をおよぼす場合がありますので、お気づきになった時には一度当院へご相談ください。
歯がきちんと生え変わっているかどうかは、お子様自身ではなかなか気づけません。また、定期検診を受けていても、かかりつけのドクターが気づかない場合もあります。なので、小学生の間はお母様などそばにいる大人の方が注意して見てあげるようにしてください。「歯が生え変わる順番や時期を知らない」という方でも、「左右対称に生え変わっているか」は確認できるかと思いますので、それを正常に生え変わっているかどうかの1つの基準として、お子様の歯の成長を見守ってあげてください。
「毎回治療に
付き添うのは大変…
でも、子供1人で
行かせるのは不安」
というお母様へ
矯正治療を始めると、長期間歯科クリニックへ通い続けなければいけません。なので、お母様の中には「毎回治療に付き添うのは大変」という方もいらっしゃるかと思います。ですが、「歯科クリニックの行き帰りが心配」「子供だけ行かせたら、どんな治療を受けたのかわからない」とご不安なお母様のために、当院ではお子様お一人で治療を受けられた際には、治療後にお手紙で「今、クリニックを出ましたよ」「今日はこんな治療をしましたよ」とご報告いたします。また、治療に関して大切な話がある時や、大きなお金が必要になる時などには、事前にそのことをお伝えして治療に同席して頂くようにしています。